初夏

『 青梅雨 』
…きらめく緑葉

青梅雨

…「初夏の前菜」川涼み

梅雨の晴れ間。
やさしく揺れるもみじの青葉に風を感じながら、流れる小川のせせらぎに足を浸し、団扇で涼を取る爽やかな初夏のひと時・・・。
そんな情景を思い浮かべながら盛り付けました。

初夏の前菜
青梅の薄蜜煮。じゅん菜と加減酢。蛇の目胡瓜の射込み鰻。
雨子の南蛮漬け。アスパラのサーモン巻。伏見唐辛子鴨ロース巻。ばい貝。百合根茶巾。酢取りカマス蛇籠蓮根。

…冷やし小吸物『アスパラガスの摺り流し』

新物のアスパラガスを摺り流しの小吸物にしました。
百合根のジュレと二層に仕立て、キャビアを添えた甘鯛の煮凝りと共に召し上がっていただきます。
見た目と同様に爽やかなお味です。

冷やし小吸物
鮮やかな緑と爽やかな味。
梅雨時に咲く紫陽花の葉の瑞々しい緑と共に・・・。

…花菖蒲の合間を縫うようにして八ッ橋を渡る『 御造り 』
乾山写しの菖蒲絵の向付と、瓜をかたどった志野の器に描かれた遠山から情景を想い描き。

雨上がり、まるで菖蒲の花の合間を縫うかのように八ッ橋を渡る・・・。
ふと見ると、前方の遠山には雲の隙間から日の光が差し込み、山の木々の緑を美しく照らし出していた・・・。

御造り

…冷やし焚合せ『加茂茄子の巾着』

冷やし焚合せ

この時期になると、艶やかな浴衣姿の娘さんをちらほらと見かけるようになります。
娘さんが手に持つ巾着の中には、おそらく可愛い小物が詰まっているのでしょう・・・。
そんなイメージで、加茂茄子の巾着煮といたしました。

初夏の京都で加茂茄子は外せません。
加茂茄子を使っての冷たい焚合せです。
中身は加茂茄子の他に、可愛らしい海老の団子や穴子、新小芋やオクラなどを色とりどりに・・・。
柔らかく炊いた加茂茄子を冷たい共地餡でお召し上がりいただきます。

…焼き物 『若鮎の木ノ芽田楽』『伽羅蕗』『破竹のマリネ』

鮎は夏を代表する素材の一つです。

当店では「塩焼き」に留まらず、様々な形で鮎料理を御献立に加えます。
しかし今回は、まだ出回ったばかりの「若鮎」という事もあり、シンプルに「木ノ芽田楽」に致しました。

春から初夏への移り変わり・・・

「走り」と「名残り」両方の意味合いを込めた御料理です。

焼き物
「木ノ芽」や「山蕗」、晩春の「破竹」に、初夏の「若鮎」。
…季節の入れ替わりの狭間、ほんの一瞬の取り合わせです。

…『蒸し物』紫陽花豆腐

汲み上げ湯葉を茶巾絞りの蒸し物に・・・。

小口に切った茄子の煮た物と、煎り唐墨を天に飾り、紫陽花の花に見立てました。
熱々の銀餡と共にお召し上がり下さい。

蒸し物

…御水物(デザート) 『水無月に見立てて・・・』
「抹茶ムース」と「枇杷のコンポート」「バニラアイスクリーム」添え。

御水物

京都では六月三十日に「夏越の祓い」が行なわれます。
昔、御所では献上された氷を口にして暑気を祓いました。
しかし、一般には氷を得る事はとても望めず、三角形に切った菓子で氷を表現しました。それが水無月の由来です。
上の小豆には悪魔祓いの願いが込められているそうです。

御水物